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パートタイム労働法Part-Time Employment

概要

パートタイム労働法が2015年4月1日から改正されます。ここでは、改正内容を中心にパートタイム労働法の基本的な部分を記載します。以下パートタイムで働いている方を「パートタイム労働者」と表記します。

パートタイム労働者の定義

パートタイマー(パートタイム労働者)とは、通常の労働者よりも労働時間が短い方を指します。ここでは、何時間以下だとパートタイムだ、というように定量的に決まっているわけではありません。

また、「通常の労働者」とは、正規労働者のことをさします。正規労働者がいない職場ではフルタイム労働者のことです。この為、フルタイムのパートの方はパートタイム労働法の対象外となります。

では、正規労働者とはどのような働き方なのでしょうか。厚生労働省の通達では、「社会通念に従い、当該労働者の雇用形態、賃金体系等(例えば、労働契約の期間の定めがなく、長期雇用を前提とした待遇を受けるものであるか、賃金の主たる部分の支給形態、賞与、退職金、定期的な昇給又は昇格の有無)を総合的に勘案して判断」となっております。これも明確な定性的な定義があるわけではありません。

ここで紹介した定義は下記厚生労働省のページから参照できます。
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001x7n4-att/2r9852000001x7u7.pdf

パートタイム労働者の種類

2015年4月1日施行の法改正で、パートタイム労働者の種類が下記の通り3種類に統合されます(従来は4種類あった)。従来よりもわかりやすい分類になったと思います。

通常の労働者と同視すべきパートタイム労働者
通常の労働者と職務の内容が同じパートタイム労働者
通常の労働者と職務の内容も異なるパートタイム労働者

ここの上記3区分を少し詳しつ解説します。

通常の労働者と同視すべきパートタイム労働者」ですが、この方は残業や休日出勤も普通にこなし、仕事の内容や昇進昇格の制度も一般従業員と同じ方です。

通常の労働者と職務の内容が同じパートタイム労働者」は、上記と仕事の内容は同じですが、昇進昇格の仕組みが一般従業員と異なる方です。

通常の労働者と職務の内容も異なるパートタイム労働者」ですが、これはホントの意味でもパートタイム労働者のことです。仕事の内容もシンプルで残業するような職務内容でもなく、当別な職業訓練も必要としないようなものです。例えば、来客の案内係などです。

雇用時の労働条件明示義務

パートタイム労働者を雇用する際には、通常の労働条件の明示義務に区分けて下記が必須となります。
【パートタイム労働者を含む全ての労働者を雇用する際に明示する必要のある項目】
書面による明示が必要な項目
労働契約の期間 (無期契約か有期契約ならその期間など)
就業の場所、従事する業務の内容
始業・終業時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇、交替制勤務をさせる場合は就業時転換に関する事項
賃金の決定・計算・支払いの方法、賃金の締切り・支払いの時期に関する事項
退職に関する事項(解雇の事由を含む)

口頭で伝えてもよい項目
昇給に関する事項(パートタイム労働者には書面による明示が必要)
退職手当の定めが適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算・支払いの方法、支払いの時期に関する事項(パートタイム労働者には書面による明示が必要)
臨時に支払われる賃金、賞与などに関する事項(パートタイム労働者には書面による明示が必要)
労働者に負担される食費、作業用品その他に関する事項
安全・衛生に関する事項
職業訓練に関する事項

【パートタイム労働者固有の明示事項】
下記は特定事項と呼ばれパートタイマーを雇用する際に明示することが義務付けられているものです。なお、下記の特定事項の明示を怠った場合は、10万円以下の過料に処せられます。
昇給の有無
退職手当の有無
賞与の有無
相談窓口(2015年4月1日施行の法改正から追加)

雇入れ時の説明義務(法第14条)

2015年4月1日から施行されるパートタイム労働法の改正により、パートタイム労働者を雇入れる際に、事業主(会社)のによる説明責任が新設されました。具体的には、「雇用管理の改善措置の内容」について説明する必要があります。
例えば、賃金制度、教育訓練や福利厚生、正社員転換推進措置などです。

相談体制の整備義務(法第16条)

事業主(会社)は、パートタイム労働者からの相談に応じ、適切な対応をするために必要な体制を整備する必要があります。

パートタイム労働者専用の就業規則

パートタイム労働法専用の就業規則を作成されていない会社も多いようですが、これは作成されることを強くお勧めします。法的に義務付けられているわけではありませんが、もしパートタイム労働者専用の就業規則がない場合は正規労働者の就業規則が適用されることになります。
例えば、正規労働者には退職金があってパートタイム労働者には退職金がない場合、パートタイム用の就業規則がなければ正規労働者のものが適用されてしまいますから、退職金の支払いを要求された場合に拒否することが難しくなります。

正社員転換制度(法第13条)

事業主(会社)は、下記のいずれかの措置を講じる必要があります。
求人情報の周知
通用の労働者の募集を行う場合に、そのことをパートタイム労働者にも伝える。

社内公募への応募機会の付与
通常の労働者の配置を新たに行う場合、パートタイム労働者にも、その機会を与える。

正社員転換試験の実施
一定の資格を満たすパートタイム労働者には、通常の労働者へ転換できる試験を行う。

パートタイム労働者の社会保険

パートタイム労働者も勤務時間に応じて、雇用保険や健康保険、厚生年金に加入する必要があります。

雇用保険は、週20時間以上働いているパートタイム労働者は加入する必要があります。

雇用保険が適用される労働者は下記条件を全て満たす者となります。

雇用保険適用の条件

1.1週間の所定労働時間が20時間以上であること
2.31日以上、引き続き雇用されることが見込まれること
3.雇用時に65歳未満でること

※上記の条件は、すべて満たす必要があります。

健康保険や厚生年金の社会保険は、正社員の概ね3/4時間以上働いている場合は加入する必要があります。

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